百年前のパンデミックと皇室
小田部 雄次
1918年から2年間にわたって大流行した「スペイン風邪」の実態を、梨本宮伊都子の日記を元に描く
<本書の特色>
1918年から2年間にわたって猛威を振るった「スペイン風邪」の実態を、梨本宮伊都子の日記を元に描く。皇室の周辺でも多くの人びとが罹患し、若くして亡くなった人も多い。35万人が亡くなったといわれる「スペイン風邪」流行の様子から、100年前の流行り病と、それに対応した人びとの戦いまでを見ていく。
◉第一章─悪性感冒の流行
スペイン風邪の時代
竹田宮恒久の急性肺炎
◉第二章─見えない病原体
梨本宮家の罹患
猛威を振るう「流行性感冒」
◉第三章─猛威、そして消滅
大磯での療養
相つぐ肉親の死
●小田部雄次(おたべゆうじ)
1952年、東京生まれ。静岡福祉大学名誉教授。専門は日本近現代皇室史。皇族や華族にかかわる一次史料を発掘しながら、近現代皇室を多面的に分析しつづけている。主著書に『梨本宮伊都子妃の日記』(小学館 1991年)、『華族』(中公新書 2006年)、『李方子』(ミネルヴァ書房 2007年)、『皇族』(中公新書、2009年)、『近現代の皇室と皇族』(敬文舎 2013年)、『昭和天皇実録評解 1~2』(敬文舎 2015年、2017年)ほか。