『国芳vs芳年』
日野原 健司
◉同じ画題の絵を徹底的に見くらべる。
◉可能な限りアップを用い、筆の使い方や描き方を見くらべる。
◉おなじみの「血みどろ」「流血」「惨殺」などのほか、妖術・自然・動物・建物まで、くらべるテーマは28対決。80点の図版で、絵師の全貌をあぶり出す。
刺青対決 アウトローが体現する男の美学
妖術対決 不気味な化け物を召喚する妖術使いたち
幽霊対決 幽霊たちが訴える恨みと悲しみ
妖怪対決 ユーモラスな異形の妖怪たちが大集合
老婆対決 残忍な老婆の眼差しに宿るもの
雷対決 駆け巡る電光石火の怒り
波対決 海に沈んだ亡霊たちの怨念月対決 輝く月が照らし出すさまざまな世界
煙対決 捉えどころのない形を捉える血みどろ対決 あふれ出す血と、武将の死に様
●日野原健司(ひのはら・けんじ)
1974年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。現在、太田記念美術館主席学芸員、慶應義塾大学非常勤講師。 太田記念美術館にて「没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳」(2011年)、「没後120年記念 月岡芳年」(2012年)、「月岡芳年 月百姿」(2017年)などの展覧会を担当。著書に『月岡芳年 月百姿』(青幻舎、2017年)、『北斎 富嶽三十六景』(岩波書店、2019年)などがある。